※引っ越し作業によって消失してしまった記事を手作業で復活させています。内容などが若干変わっていますがご了承ください。
また、簡単に復活させる方法などをご存じの方がおられましたら、ご教示くださいませm(__)m
今年はたくさんスキーに行こうと思っていたのですが、早いものでもう2月も終わろうとしております。
先日、長野県は上高井郡小布施町にあります、長野電鉄小布施駅までお友達をお迎えに行った時の話、駅前に面白いものを発見しました。
小布施町「狐どんの道案内」物語ボックス
長野電鉄 小布施駅前(暗くてよくわかりませんが…)
小布施駅は長野電鉄沿線の中でも景色が良い事で有名で、 ホームから北信五岳(飯綱山、戸隠山、黒姫山、斑尾山、妙高山)を望む事が出来るそうです。(オイラはこの日も構内に入っておりません)
電車の到着時間まで少々時間があったので、辺りを散策してみる事に…。
すると駅前にこんな物が…近づいてみると、何やら立て札?紙芝居?的な物が立っているではないですか⁈
こちらは「物語ボックス」というらしく、小布施町に伝わる昔話を紙芝居として描いているそうです。
物語ボックスは、観光客などまち歩きを楽しんでもらおうと、平成13年に町が設置したそうで、小布施駅前から町営松村駐車場にかけて8ヶ所、それとおぶせミュージアム前と岩松院前の2ヶ所の計10ヶ所あり、各物語ボックスは表紙を合わせてパネル5枚で構成されているそうです。
「狐どんの道案内」
むかし、小布施の三軒茶屋に
実五郎さという人がおって、
かすみあみで
くらしのたしにしておったと。
かすみあみっていうのは、
細い糸を何本もはって、
秋の渡り鳥をとらえるしかけさ。
―今はやってはならんおきてだがの―
実五郎さは、千曲川をわたって
蟹沢の与平じいのひつじ田を
鳥場にしておったと。
秋になると、実五郎さは蟹沢に
やってきて、与平じいに
「また来たぜ。日暮れに寄るでな。」
そう声をかけるんだと。
そして、日が落ちると獲物をかかえ
て与平じいの囲炉裏にあがりこみ、
焼き鳥で、どぶろくをちびりちびり
やるんだと。
そんなとき、与平じいの小屋のまわりで
ガサゴソ音がする。
「焼き鳥のにおいにさそわれたな。でも鳥は
やれんしのう。」実五郎さは、
鳥羽の近くの小川でとった
ドジョウをビクからすくって、
ポイと外になげる。
ココンコーン、きつねはドジョウも
すきらしい。
実五郎さは、また、ポイとなげる。
ココンコーン、うれしげな鳴き声。
「七、八匹のおあつまりだ。」
実五郎さはそう言い、じさとちびりちびり。
秋もおわりのある日。
獲物がどっさりかかったうれしさに、
実五郎さは与平じいの小屋でついつい飲みすぎた。
外に出ると闇の夜。どこが道やら手さぐり足さぐり。
そのとき、ぽっと明かりが七つ八つ。
「こりゃきつねどんの道案内じゃ。」
実五郎さが無事に千曲川の渡し場につくと、明かりはぷいと消えた。
「ありがとよー。」とさけぶと、コーンと返事がきこえたとさ。
(物語ボックスより)
最近は民話に触れる機会が少なくなり、忘れられているものも少なくないと思います。
こういう形で多くの人に親しんでもらい、伝承していくことは大切な事だと思いますね!
真にまちを散策する楽しみの一つになりますね!
ちなみに小布施町は、あの天才絵師・葛飾北斎が晩年(83歳から88歳頃)にかけて4度も滞留し、多くの傑作を残した町でもあります。
その作品は北斎館で保管・展示されているそうなので、機会があったら今度行ってみたいと思います。
小布施は、葛飾北斎をも魅了する町です。
※この日の宴会終了後に、リアル実五郎さが現れたとか、現れてないとか…。
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